2月の課題
『SHIBORI』


海外の雑誌で よく『しぼり』を見かけます。
織った布を チクチク縫って『しぼり染め』をしているのだと思っていたら
織っている時に 別糸を織り込んで絞っている様子。

これは おもしろい・・・・・
さっそく挑戦してみることにしました。


どんな糸が適しているのだろう・・・・
密に織った方が柄がきれいにでるのかな?

さっそく サンプル作りを始めました。




織った状態 絞った状態 染め上がった柄
サンプル(1)
サンプル(2)
サンプル(3)



サンプル(1)




使用した糸


地織り シルク ループ糸
別糸 綿糸 


使用したソウコウ

50羽


染めやすいということを考えて 糸はシルクを選びました。ウール 綿でも良いと思います。ただし 綿の場合は綿糸用の染料をご用意ください。

別糸は 細めの糸を使います。引っ張りますので ストレートの糸で 丈夫な糸を選んでください。
色は後で取り除いてしまうものですので どんな色でも構いません。また 1段ごとに 端で切ってしまうので たて糸の残り糸などを利用しても良いと思います。

ソウコウは 50羽を使用して 密に糸を張りました。


たて糸の本数

たて糸の本数は 奇数にすると良いと思います。
サンプル(1)は 全体を5等分して柄を入れていますので
たて糸の本数は 201本にしました。



織り方

たて糸を張り 捨て織りをしてから織り始めます。
平織りで 15段。2〜3cm織ってから 別糸を入れることにしました。
(これは 好みの長さで良いですよ)



ソウコウを傾けて(開いて)作業をします。
両端の糸が上になるように ソウコウを傾けてください。

全体を5つに分けて 印をつけます。
今回は たて糸を 下のように分けました。
 10 @  9  @  9  @  9  @ 10 
@の糸に 印を付けます。
(たて糸をいくつかのブロックに分ける場合は 糸と糸の間に印をつけますが 今回は たて糸につけました。
別糸は いつも 印をつけたたて糸の下を通るようにしたかったからです)

 



別糸を織り込みます。

10 @  9  @  9  @  9  @ 10

赤い数字の部分は たて糸が開いている間を通し
黒い数字の部分は たて糸を上を通ってよこ糸を通します。



別糸の端は 4cmくらい残して切り取ります。
別糸を織り込んだら 4段平織りを織り 別糸を織り込みます。
平織りを織る場合は 別糸に関係なく交互になるように織り込みます。部分的に 白糸と別糸が 重なっているところがありますが 別糸は染め終わったら 取り除いてしまうので 気にしなくても大丈夫です。
別糸を織り込む段は 両端のたて糸が上がっている段で織り込みます。


サンプルは 別糸と別糸の間を4段織りましたが 偶数なら 何段でも良いと思います。



別糸を 4本織り込んだら たて糸の間に通す部分と たて糸の上を通す部分を反対にします。

10 @  9  @  9  @  9  @ 10

今度は 左から 2番目と 4番目の赤い数字の部分で たて糸の間を通し 黒い数字の部分は たて糸の上を通します。

よこ糸(別糸)を固定させるたくて 糸の端を 一番端のたて糸にくぐらせました。


絞り方

これで織り上がりです。
端から出ている糸は ちょっと多めでした。
もっと少なく 3〜5cm残せば大丈夫なようでした。


片方の糸を2本一緒に 結びます。
結び方は どのような方法でも良いので固く結びます。
後で解く時に解きやすくしたい場合は このような結び方でも良いとおもいます。
解けないかどうかを チェックしてくださいね。


残した糸が少なくて結びにくい時は 糸を引っ張っても大丈夫です。
2本を1組にして(半端になった場合は 3本1組にする)全部結び 結び忘れている糸がないかをチェックする。

結び忘れている糸があると 反対側から引っ張ると スルリと抜けてしまいます。
もし 抜けてしまったら 針を使って 織り込んだ時と同じように縫いこむことができますので 慌てないで・・・・


反対側の糸を引っ張ります。



糸をしっかりと引っ張り 2〜3回結びます。


こんな感じになります。


これがすべて結び終わったところです。
この状態で染めます。


3枚一緒に 染めました。
使用した染料は 墨染め液。
キットになっているものです。
染め方は 同じサイトでご覧ください。


糸を取るときは 糸を引っ張って 結び目を切り取ります。
少し 糸を取ったところ。
白い生地が見えて ホッとしているところです。



これは 一番 基本的な織り方かな、と思っていましたが 思っていた柄にはなりませんでした。
別糸で織る場合の 糸をすくう本数 別糸と別糸との間隔などを変えると 柄が変わります。
もう少し きれいに柄がでるように 調節が必要かもしれませんね。


今回 私は 左の図のように 四角を重ねるように 別糸を織り込みました。
斜線の部分が 別糸を織り込んだ部分です。

もし 右の図のように間をあけるようにしたら・・・・・
きっと また 違った柄ができることでしょうね。




サンプル(2)




柄を変えて織ってみることにしました。
これも 本で見たアイディアなのですが 染まり具合の違う糸を織り込むと
色の出かたが違うので縞模様ができるとのことでした。


たて糸の張り方   サンプル(1)と同じ

たて糸の本数  サンプル(1)と同じ



サンプル(1)では たて糸の上を織らずに渡す部分と 普通に織る部分とを組み合わせていましたが ここでは たて糸を開いている状態で(ソウコウを傾けた状態)で 1本おきに糸をすくいました。


サンプル(1)より 目が荒くなりました。

縞々が部分的にですが きれいに出ました。
全体に出るようになったらいいな・・・・・
クレープ生地のように シワ加工をしたような生地になりました。
とても良い風合いなので これでマフラーを作ったら素敵だと思います。




サンプル(3)



たて糸の張り方   サンプル(1)と同じ
たて糸の本数  サンプル(1)と同じ


今度は ひし形を作ってみました。



毎段 少しづつ たて糸に織り込むところを 増やして(減らして)行きました。
一番補足なるところだけ 同じ織り方を 2回続けました。

ひし形が こんなにきれいに出るとは思ってもいませんでした。
ただ 1箇所だけ 織っていないところが 中にはさまっていたようで
白くなってしまいました。大失敗。
チェックが必要ですね。


SHIBORIを実際に織ってみて これは 楽しい織り方だと思いました。
今回は 規則的に別糸を織り込みましたが ランダムに入れたら もっと複雑な(?)
楽しい柄ができるのだと思います。
ぜひ お試しあれ・・・・・・・


『SHIBORI』は アシュフォード社が発行している会報誌『WHEEL』を参考にさせていただきました。
アシュフォード社のホームページ
『WHEEL』について